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- 個展
2026.02.01(日)〜 02.05(木)
向 丁怡 XIANG DINGYI「幼少期の守護霊を呼び戻す」
今回の展示では、幼少期に言葉にならない安心感を与えてくれた 「それ」をテーマとしている。 子供の頃、騒がしい日常から離れ、部屋に戻って横になると、 「それ」は、静かにそばにいた。 ある時、ふと振り返ると、すでに部屋のどこかに座っているようで、 片手で頬を支え、微笑みながら、子供の私の 取るに足らない日常の話を聞いてくれた。 ただそれだけで、騒がしかった心は落ち着いていった。 成長とともに消えていったあの「存在」をもう一度呼び戻したいと思った。 しかし、いざ思い出そうとすると、 その顔や姿は、はっきりとは思い出せない。 思い出せるのは、周りに流れていた温かい空気や、 口元や耳の輪郭といった、断片のような記憶だけである。 本展では、その曖昧で捉えきれない「存在」にまつわる 記憶の断片を集めている。 漏れた光が壁の隙間に差し込み、 しわの寄った窓に輪郭が映る。 微かな風に手をかざすと、布の端がどこかへ消えていく。 形としては残らないもの。 しかし確かに、心を落ち着かせていた何か。

